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松田美緒 Mio Matsuda
18歳でポルトガルの音楽ファドに自己表現の形を見い出し、20代 で本場リスボンに留学後、2005年、ポルトガルからカーボ・ヴェルデ、 ブラジルへ至る大⻄洋の音楽地図を描いたリオデジャネイロ録音の 1STアルバム『アトランティカ』でビクターよりデビュー。 ポルトガル語やスペイン語など六ヶ国語を操りながら、活動拠点にも音楽のジャンルにも縛られることなく、世界各地に息づくリズムを吸収し、 地域の魂が宿った歌を拾い上げ、それを独自の表現にしていく活動は「歌う旅人」と称され、国内外の著名ミュージシャンからも支持されている。2012年より海外移⺠に歌い継がれた曲も含め、知られざる日本の歌を掘り起こす活動を行い、2014年にCDブック『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』を発表。高い反響を呼び、文藝春秋『日本を代表する女性120人』に選ばれる。日本テレビ系列『NNNドキュメント』ではその活動を追った番組2作が放映され、1作目は坂田記念ドキュメンタリー賞グランプリ、2作目はギャラクシー賞を受賞。2018年には大分市ホルトホールの要請で、大分に通い、県内の民謡を掘り起こした『おおいたの歌』をリリース。2021年南米音楽のレジェンドで19年度ラテングラミー生涯功 労賞を受賞したウーゴ・ファトルーソの完全プロデュースによる全曲スペイン語のアルバム『LA SELVA』を最高音質のUltimate Hi Quality CDとしてリリース、22年にはウーゴとともに発売記念コンサートを開催。音源を聴いたDJ須永辰緒の強い希望により、22年4月LPとしてリリースされた。21年から3年間に渡って、映画監督の古木洋平とともに、クオリティの高い映像シリーズ”Through the Window”で世界中のミュージシャンとコラボレーションを行った。ドキュメンタリー映画『銀鏡』のエンディングを歌唱。佐賀女子短期大学客員教授。スピリットの宿る歌=場をイメージした生音ライブシリーズ「風のとまり木」を開催。23年からペルシャ古典音楽を学んでいる。
年 譜
《~2002年》
■学生時代、ポルトガルのファドと出会う。同時に様々な音楽にも接し、北米先住民 (1999年)や、ハンガリーのロマ(2002年)と音楽的交流を深めるほか、世界各国を旅する。
《2003年》
■ファドに自己表現の形を見出し、この年、1年間リスボンに留学、本場のファドを習得すると同時に、ポルトガル語圏アフリカやブラジルまで音楽世界を広げる。
《2004年》
■大西洋の諸島国カーボ・ヴェルデに歌手として滞在。
■ブラジル、ミナスジェライス州の各都市の音楽祭に、ポルトガル語圏アフリカ諸国のミュージシャンたちと出演。
■活動の拠点をブラジルに移し、リオ・デ・ジャネイロにて、ポルトガル、ブラジル、カーボ・ヴェルデをつなぐ大西洋の歌を綴った1stアルバム 『アトランティカ』をレコーディング。
《2005年》
■六本木ヒルズ限定販売のミニアルバム『イグノポール(Ignoppor)』発売(4/21)、朝日生命CM曲に。
■8月『アトランティカ』リリース(8/24)。プロデューサーのホジェリオ・ソウザとバンドリン奏者ホナウド・ド・バンドリンを招き、大阪、東京にてデビューコンサートを行う。
■有線放送の番組Mintsのパーソナリティをつとめる。
《2006年》
■ハンガリーのブダペスト、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロでレコーディング。
■11月にブラジル北東部のリズムと物語をちりばめた2ndアルバム『ピタンガ!』をリリース。
■NHK-BS 「しぶやライブ館シング ・ シング ・ シング」 に出演。 共演はヤドランカ。
《2007年》
■3月より再びブラジル、アルゼンチンを巡る。7月にリオ・デ・ジャネイロでブラジル音楽の巨匠ジョアン・リラ(g)、クリストーヴァン・バストス(p)と、日本とブラジルの名曲を叙情的に歌う3rdアルバム『アザス』をレコーディング(10月3日リリース)。
■8月 鼓童の“アースセレブレーション”に出演。共演は鼓童、山下洋輔、ジョヴァンニ・イダルゴ、ザキール・フセイン、タマンゴ。
■『アザス』発売後の10~11月には同作を共同プロデュースしたジョアン・リラを日本に迎え、全国ツアーを行う。
《2008年》
■2月にポルトガル語圏諸国(ブラジル、ポルトガル、アンゴラ、モザンビーク、東ティモール)の大使館主催のコンサートをブラジル大使館で開催、ポルトガル語圏の国々の文化的、精神的繋がりや多様性を表現して大きな反響を得る。この時のライブ録音は『Live at Brazilian Embassy』として限定リリースされた。メンバーは鬼怒無月(g)、ヤヒロトモヒロ(perc)、江藤有希(vln)。
■3月 国立競技場で行われた日本vsアンゴラのサッカー親善試合でアンゴラ共和国国歌を独唱。
■5月 ブラジル移民100周年記念編集アルバム『ルアール』をリリース(5/21)。
■7~9月 ウーゴ・ファトルーソ&ヤヒロトモヒロのデュオ「ドス・オリエンタレス」の日本ツアーに参加。
■10月 リオ・デ・ジャネイロにてジョナサン・ノシター監督アメリカ/フランス/ブラジル合作映画『Gringos do Rio』(主演:シャーロット・ランブリング)に出演。
■11月 ブラジル、レシフェにてペルナンブーコ州日本移民50年記念のコンサートをする。
《2009年》
■1月 アンサンブル・エクレジアのCD「巡礼の歌」レコーディングに参加。ガリシア語の中世の聖歌を歌う。
■7月 ベネズエラのマンドリン奏者リカルド・サンドバルに招かれフランス・ツアーを実施。
■8月 ウーゴ・ファトルーソ、ヤヒロトモヒロと、4thアルバム『クレオールの花』をレコーディング。
■10月 リカルド・サンドバル&マティアス・コレの日本ツアーにゲスト参加。
■12月 白寿ホールで、ガリシアの中世の歌からポルトガルのファドに至る音楽の道をうたうコンサート。共演はつのだたかしとレオナルド・ブラボ。
《2010年》
■1月20日 4thアルバム『クレオールの花』(ウーゴ・ファトルーソと共作)リリース。
■1月末~ リカルド・サンドバル&マティアス・コレとベネズエラ・ツアー。
■8月 国際交流基金の企画により、南米ツアー。アルゼンチン、ウルグアイ、チリでコンサート。共演はウーゴ・ファトルーソ、レイ・タンボール(ウルグアイ)、フランチェスカ・アンカローラ(チリ)、オラシオ・ブルゴス(アルゼンチン)など。
■10月 同じく国際交流基金の企画で、南米アーティストを日本に招き東京・白寿ホールでコンサート。
■12月 ベーシストの沢田穣治とのアントニオ・カルロス・ジョビン曲集アルバム『カンタ・ジョビン』をリリース。
《2011年》
■3月 南米アルゼンチン、ウルグアイにてレコーディング。ウルグアイとチリで公演。
■7月 ウルグアイ、アルゼンチン、チリ、ベネズエラで公演。ベネズエラでは、アンサンブル・グルフィオと共演。
■10月 アルゼンチン・ウルグアイ録音の 5thアルバム『コンパス・デル・スル』をリリース(10/19)。共演は、ウーゴ・ファットルーソ、カルロス・アギーレ、オラシオ・ブルゴス、レイ・タンボールなど。
■11月 CHORO CLUBの武満徹トリビュートアルバム「武満徹ソングブック」にヴォーカリスタスの一人として2曲に参加、目黒パーシモンホールのコンサートに出演。
《2012年》
■1月 「日本のうた」ライブ第一弾を青山CAYでおこなう。
■3月 チリのサンティアゴGAMにて大使館主催のコンサートをおこなう。
■4月 ウルグアイのモンテビデオ国立ソリス劇場にウーゴ・ファトルーソとカンドンベグループREY TAMBORと出演。
■5月 ペルー、リマにて、ギタリスト、マリオ・オロスコとコンサートをおこなう。
■6月 稲垣潤一の最新アルバムに参加する。「男と女」をデュエット。6/13リリース。
■7月 ベネズエラのクアトロ奏者チェオ・ウルタード率いるアンサンブル・トラディショナル・ベネズエラの関東4公演にゲストとして出演。
■9月「日本のうた」ライブ第3弾。ブラジル日系移民の歌をとりあげる。
《2013年》
■2月・4月 2度に渡ってカーボ・ヴェルデ共和国でテレビ番組に出演、国を代表するギタリストBAUとライブをする。
■5月、6月、CAY「日本のうた」第4弾で、ハワイやミクロネシアの日本のうたをとりあげる。
九州ツアーをおこなう。
■6月 松田美緒&ビスコイット・グローボで東北ツアーをおこなう。
■7月 国際交流基金ソウル日本文化センター主催で韓国公演をおこなう。康津、全州、ソウルの3都市で4回の公演をおこなう。公演は好評を博し、康津郡より、康津の広報大使に任命される。
■9月 つのだたかしプロデュース「リスボンから船にのってvol.2」開催。東京のMUSICASAで2夜に渡って、地中海8カ国の歌をうたう。
《2014年》
■2月 明治ブルガリアヨーグルトのCM曲(作曲Coba)のポルトガル語詞を手掛ける。
■3月 東京文化会館で『武満徹ソングブックコンサート 出演ショーロクラブ with ヴォーカリスタス and 谷川俊太郎』に出演。
■4月 長崎県野母崎町の青潮学園の愛唱歌(作曲 本間勇輔)のポルトガル語詞を手掛ける。
■9月 保谷こもれびホールで行われた「武満徹ソングブックコンサート」に出演。
■11月 ベネズエラから来日したトリオ・アルデマーロ・ロメロのツアーにヴォーカリストとして出演、ブルーノート東京などで公演。
■11月 NHKテレビの音楽番組『東北Soul』に出演。東北6県向けに放映される。(BSプレミアムで全国放送)
■12月 日本のうたプロジェクトの集大成であるCDブック『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』を発表。東京sonoriumで発売記念コンサート。
《2015年》
■3月 パリのEHESS(社会学高等研究院)で行われた国際シンポジウムに招かれ、発表・公演。
■4月 『クレオール・ニッポン』発売ツアーを神戸、松江、岡山、福岡、長崎、大分など西日本各地で開催。
■5月 ポルトガルとギリシャを訪れる。ギリシャではラフカディオ・ハーンの生まれたレフカダ島でハーンの誕生日に公演。
■7月 NHK-FMの2時間番組『松田美緒の歌でつなぐブラジル・日本120年』の公開収録。8月に放送。
■8月 富山県のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドに『クレオール・ニッポン』トリオで出演。
■9月 秋田県の上小阿仁村のKAMIKOANI PROJECTのクロージングイベントに出演。
■11月 『クレオール・ニッポン』京都・東京にて公演。
《2016年》
■5月 地中海を旅し、アテネとリスボンで新作をレコーディング。
■6月 沖縄県立芸大主催の世界島嶼シンポジウム、秋田県の内陸縦貫鉄道でライブ。
■7月 ブラジル音楽デュオQUATRO Mの全国ツアー。レコーディング。
■8月 長崎のブリックホールで行われた遠藤周作『沈黙』刊行20周年のシンポジウムに出演。松田美緒の歌うキリシタンの歌で始まった。
ドキュメンタリー撮影のためパラオを訪れる。
■10月 1年以上松田美緒の活動を追った日本テレビ系列『NNNドキュメント’16 ニッポンのうた “歌う旅人”松田美緒とたどる日本の記憶』 が全国放映される。
■11月 『辺境の歌』コンサートで、ブリヤート・グリーンランドのアーティストと共演。
■12月 パーカッショニスト・土取利行に招かれ、岐阜県郡上八幡市でコンサート。カクレキリシタン、オラショなど日本に芽吹いたキリスト教の音楽がテーマ。
《2017年》
■4月 ギリシャ・ポルトガル録音のアルバム『エーラ』(コアポート)を発売。
■7月 土取利行の邦楽番外地vol.5『明治大正の女性を唱う』両国シアターカイにて出演。
■8月 松田美緒の発掘したブラジル移民のうたをテーマに、テレビドキュメンタリー『NNNドキュメント』をブラジル・サンパウロ州で撮影。
■9月 郡上八幡音楽祭に出演。共演はマリの3人の弦楽師と土取利行。
■11月 大阪の国立民族学博物館の映像プロジェクト「芽生える歌」公演。徳島県三好市祖谷の民謡との関わりを追った映像ドキュメントとトーク、コンサートをみんぱくのホールで開催。
ブラジルで撮影された『NNNドキュメント’17 移民のうた 歌う旅人・松田美緒とたどる もう一つの日本の記憶』が日本テレビ系列で放映。
《2018年》
■1月 両国シアターΧの土取利行の邦楽番外地vol.5『ブラジル移民と啞蟬坊の歌』で、明治時代にブラジルへ渡った日本人が歌っていた当時の流行歌を初披露。
■6月 「クレオール・ニッポンの旅 おおいたの歌」始動。
■9月 NY在住のサンバジャズピアニストMIKAとのブラジル音楽ユニット QUATRO Mの1stアルバム発表、全国ツアー。
《2019年》
■4月 特定非営利活動法人「歌うおおいた」発足。理事長に就任。
■7月 2年がかりの歌発掘プロジェクトの果実『おおいたのうた』をクラウドファンディングでリリース。
土取利行との『月の夜のコロニア 〜ブラジル移民のうた』をリリース。
沖縄県立芸大のプロジェクトに参加し、4回に渡ってアーティスト・イン・レジデンスを行い、歌を発掘。
■9月 大分市ホルトホール大分にて、地元の歌い手を招き「歌うおおいた祭典」を開催。
■10月 自身のルーツであるファドのコンサートツアーを開催。10/5にはアン・サリーと別府でコンサートを行う。
■11月 南米の仏領ギアナに招聘され、 タップダンサーTamangohのチームとともに”Samurai Noir”の舞台に出演。
《2020年》
■5月 映像チームYOYEとライブ配信シリーズthrough the window スタート。vol.1 「クレオール・ニッポン」を京都より生配信。
NHK札幌の料理番組、おうちでごちそう北海道のために歌を制作。好評につき6回のシリーズとなった。
■7月 through the window vol.2 を建仁寺両足院より生配信。
■8月 through the window vol.3 を有馬温泉御所別墅より生配信。
ウーゴ・ファトルーソをはじめ、世界のアーティストが新曲を提供。
■10月 ウーゴ・ファトルーソと遠隔でアルバム制作スタート。
■11月 ホルトホール大分にて「歌うおおいた祭典」をプロデュース。大分各地の盆踊りの名人が一同に会した。
《2021年》
■1月 through the window vol.4 “Secret Garden” を配信。共演はピアニストの林正樹。
■5月 在日EU本部のヨーロッパデーのコンサートとして、ギリシャ、ポルトガル、日本の歌をライブ配信。
■6月 through the window vol.5 “Saudade em Monocromo” 「郷愁のモノクローム」を配信。共演はサンバジャズピアニストのMIKA。
■10月 ウーゴ・ファトルーソの遠隔プロデュースで海を越えて制作した新アルバム『La Selva』をリリース。
《2022年》
■4月 RECORD STORE DAY2022に、DJ須永辰緒のレーベルより『La Selva』アナログLPをリリース。京都でスペシャルイベント。
■7月 生音ライブシリーズ『風のとまり木』第一回を京都のカフェ・バラッカでスタート。
■10月 京都と東京にて、ウーゴ・ファトルーソと『La Selva』のリリースライブ。
■12月 滋賀県のMIHO MUSEUM で古代の芸術品を前にコンサート&ワークショップを行う。
《2023年》
■5月 磯崎新『間』展プロジェクトに参加、土取利行、ペルシャ人ミュージシャン、雅楽、神楽演奏家のチームで、香川県多度津の海岸寺でリハーサルを重ね、小田原の江の浦観測所で公演。
この頃から、ペルシャ音楽をMahsa Azimiに師事。
■6月 土取利行作詞作曲の空海の母の歌を『真魚・空海の母 玉依御前をうたふ』コンサートで発表。香川県丸亀市猪熊源一郎現代美術館ホール。
■9月 磯崎新『間』展プロジェクトでアルメニアとジョージアを探訪。
■11月 海岸寺にて、 空海作『三教指帰』の舞台に出演。出演者は、土取利行、安田登、奥津健太郎、いとうせいこう、石坂亥士、中村仁美、伊崎善之、音無史哉、多度津真言宗有志声明会。
《2024年》
■2月、3月 磯崎新『間』展プロジェクトで、イランとサマルカンド(ウズベキスタン)公演。
■4月 土取利行とエリック=マリア・クテュリエ「異響同塵」コンサートに出演、フランスのエリック=マリア・クテュリエと共演し、ライブアルバムをデジタルリリース。
■6月〜10月 南フランスのアルデーシュで開催されたフェスティバルにブラジル北東部のバンドと出演。その後、スペイン、イタリア、ギリシャ、ネパール、アルメニアを旅する。